自己愛の過剰摂取

メンヘラオタクが暇つぶしに何か書きます 

関係

本当は私は真面目になんかなりたくなかったし優等生になんかなりたくなかったけれど、別の何かになれるほど何かを持っていたわけでも強い意志を持っていたわけでもなかったので、ただ平凡な日々を当たり前のように過ごしていくうちにただの真面目な優等生になってしまいました。


「お久しぶり」
目の前の男は前回会った時と同じように片手を軽く上げながら私に向かって微笑んだ。
「...お久しぶり」
「今日もまた不機嫌だね」
「別に...」
本当はただ緊張しているだけなのだが、それを悟られるのは嫌だったので今回も機嫌の悪いということにしておいた。
二人でぶらぶらと近況報告をしながらラーメン屋へ向かう。「オタクはラーメンが好きだからさ、美味しいラーメン屋ならそれなりに知ってるんだよ」と毎度のことながら彼は言うが、本当なのだろうか。確かに毎回別のお店に連れて行ってもらっているが不味いと感じたことはない。私がもともとラーメンを食べに行かないから味の判別がうまくつかないのも理由なのかもしれないけど。
ラーメンを食べるときはお互いあまり話さない。彼は食べながら話すのがあまり好きではないらしく、私は食べながらあのことについてずーっと考えてしまう。耳が赤くなってたりするだろうが、熱いラーメンを食べているせいだと誤魔化せるのはありがたい。
「ほかに行きたいところある?」
ご飯を食べた後彼は必ず私に問う。男と二人で行きたい場所なんてないので
「ないよ。」
といつもと同じ返事をして、少しギクシャクしながらいつもの場所に向かう。

「ご希望のお部屋をタッチしてください。」 私たちはいつもと同じホテルに入る。どうせだったらいろんなホテルに入ってみたいんだけど、彼は新しいところを探したりわたわたするのが嫌いらしく、その慣れてない感じが少し好感が持てる。 ここから先はうまく言葉にできないもやもやした感情を抱きながらお互いが快感に溺れる。彼の舌に私の先端が弄ばれて息を吐くような声が漏れたり、私たちの体が上下しながら声にならない声を上げたりする。この時の私を側から見たらギャグみたいになってるのかもね。 することをし終えた私たちはさようならのキスをして別れる。先ほどの感覚を反芻しながら電車に乗っている時、私が私じゃない感覚を覚える。真面目なんかじゃなくてただの淫乱娘ですよ。 家に帰るとちょうど晩御飯が出来た頃よと母親の声。私はまだ真面目な優等生の子供なのかな?